2018.12.31
今年も開催されました 《断捨離祭り2018》
祭りのフィナーレを飾るのは
断捨離実践者から寄せられた体験談の中から
断捨離提唱者やましたひでこがすべて目を通し
グランプリを選出、皆さんに披露。
今年もグランプリ1受賞 ノミネートが8受賞。
⇒ ノミネート 『去年の夏・・・我が家にちょっとした事件が起きた』
今回は
『「主婦である私」の尊厳を取り戻す』 酒井千恵さん
私は、45歳の専業主婦です。
特別、料理や裁縫が上手なわけでもなく、
掃除が得意なわけでもない、ごく一般的な主婦ですが、
10年間に8回の転勤を経験したおかげで、引越しは得意です。
そして、「自分の住まいを快適に整えること」に関しては、
並々ならぬ情熱を持っており、楽しくてなりません。
断捨離との出会いは、昨年の12月。
福岡断捨離忘年会の1部に参加させていただきました。
参加の直接のきっかけは、56歳の夫が、昨年7月に財務省を早期退職し、
7年間の単身赴任生活を終えて、自宅に帰ってきたことです。
「夫は、半年後くらいには再就職し、通勤し始める。それまでの辛抱だ。」
くらいに考えていました。
段ボール20箱分の荷物は、そこそこ片付いたものの、
夫一人が増えただけで、家の中は、雑然とし始めました。
実際、夫が、久しぶりに帰ってきて、毎日長時間、家に居る状態は、
想像していた以上に息苦しいものでした。
この7年間で、夫には夫の生活ペースができ、
私と息子にも、生活ペースがある。
それが、あまりにかみ合わないストレスを、私も、夫も、感じていたと思います。
限界を感じた私の口が、つい、ぽろっと
「このままじゃ一緒に生活できん。」と、夫に言ってしまいました。
ついでに、「息子の朝送迎やお弁当作りの私のペースがあること」
そして、何より、
「毎日、掃除したそばから汚れていき、家がリセットされるタイミングが、
私にとっての幸せなのに、そのタイミングが、一瞬も訪れないことが、
本当に、疲れて、悲しい。」とも、夫に伝えました。
それから、夫は、平日9時5時で、図書館や美術館に出かけ、
ひと月ほど、ヨーロッパへ旅行に行ってくれました。
追い出したようで悪いなという気持ちは、多少ありましたが。
それでも、よくこぼす・汚す夫は、家に居ます。
自分でいろいろしようとするのはいいけど、
その後始末の方が大変で、
「台所進入禁止」と言ったものの、
私が、夫の世話を焼くのも面倒になり、やめました。
試行錯誤してみたけれど、
「尊敬する所やいい所もたくさんあるし、働くし、まあ優しい夫。
もちろん、夫に感謝しているが、
このザワザワした暮らしは、もう改善の余地なく、慣れるしかないのかなあ。」
という、諦めに近い、釈然としない気持ちでいました。
そんな時に、ユーチューブで、
『夜桜亭日記』に出演されている、やましたひでこさんを見かけました。
ご著書『モノが減ると心は潤う簡単「断捨離」生活』の新刊紹介も、されていました。
「断捨離って、思考の整理ができるんだ。」という驚き。
そして、やましたひでこさん御自身が、おきれいで、穏やかな知的な語り口で、
かっこよく、また、断捨離ハウスが美しい。
「私も、快適な空間で過ごす、なんとも言えない喜びをあきらめたくない。」
という想いが、むくむくとわいてきました。
この家は、8年前に仙台で暮らしながら、
福岡に建て、東北大震災の2日前に、私たち家族を、仙台から福岡に帰してくれた、
大切な家なのです。
「この大好きなわが家で、ザワザワした暮らしを続けるなんて、あり得ない。」と
半分怒りながら。
早速、調べてみると、なんと、やましたひでこさんが、
3週間後の福岡断捨離忘年会にいらっしゃる!残席4、即申し込みました。
それから、福岡で、檀葉子トレーナーの
「初めての断捨離」「3回コース」「パーソナル」を受講し、
自宅訪問では、思いがけないご指摘をいただきました。
夫のためのコーヒーコーナーを作ってみたり、
夫の部屋をリフォームしたり、私の寝室を作ってみたり。
2月から、夫が無事再就職できたこともあり、
気付くと、息苦しさと諦めのような釈然としないモヤモヤが減っていました。
笑顔で「今日もご出勤でよかった。おかげで家が片付くわー。」と私。
夫は「はいはい。こぼす夫がいないので、家が片付くでしょう。」と、
お互い言えるようにもなりました。
また、主婦でいることは、「生かされている命を活かしてないのでは?」
「社会性が身につかないのでは?」いう不安も持っていました。
断捨離は、その不安も取り除いてくれました。
断捨離を日常生活の中で実践することで、思考・感覚・感性を鍛えることができる。
モノとも人との関係も、俯瞰して、距離をはかり、
自分軸と他人軸を、自在に行き来し、自由な生き方ができる。
家事も、自分を成長させるものである、と証明されたのだという喜び。
「安心して、主婦業を楽しんでいいのだ」
「少なくとも、小さな町の一画で、世の中を美しくしているのだ」と、
太鼓判を押してもらいました。
今から10年ほど前。
夫の転勤で、3年間、那覇に住んでいました。
よく出かけた、それぞれのホテル空間の美しさと快適さ。
リゾート地特有の空気感と相まって、開放感のある美しい部屋。
そんな快適な空間を、狭い自宅でも実現したいと、
転勤による引越しのたびに、試して(遊んで?)いました。
また、今から23年前の1月5日、福岡の実家が全焼しました。
その12日後は、阪神淡路大震災。
当時、私は岡山の大学に在籍、何度か兵庫県へ、ボランティアに行きました。
この時期に、私は
「一瞬で消えてしまう“モノ”ってなんなのだろう。
私が憧れている“美しい暮らし”ってなんなのだろう。」と、
つたない頭で考えました。
「生活するために必要なモノは、要る。でも、もう、たくさんのモノは、要らないのではないか。
だけど、自分の好きなものは持ちたい。
じゃあ、日用品や必要なモノは、自分のお気に入りのものを選び、
好きなものも、自分で管理できる最小限の量を持つことにしよう。」と、決めました。
そして、「自分の好みで選んだモノを活かし、居心地よく整えた、
手入れの行き届いた住まいでの日常生活が、美しい暮らしではないか。」
と考えていました。
無謀にも、我流で「空間クリエイト」にトライし、
「美意識」に含まれる「美しい暮らし」ついて考えていたのだとすると、
すべての経験は無駄ではなく、今に繋がるのだと思いました。
もちろん、これまでの普通の主婦としての20年も。
私は、断捨離に出会い、初めて、普通の主婦としての自分を、
自分で、腹の底から認めることができました。
そして、主婦としての未来の自分にも希望を持っています。
まだまだスパイラルアップの途中。
これからも、その時々の状況に応じて、自分も家族も、
我が家に遊びに来てくれた人も、心地よく過ごせる美しい空間を、
小さな家ですが、実現させていきます。
住まいを整えることを自由に任せてくれる、夫と息子に感謝です。
そして、空間だけでなく、人間関係も、自在に愉しめる自分でありたいです。
「大欲」には至っていませんが、断捨離を通じて、
今から、どんな人生が展開していくのかを楽しみにしながら、
宇宙の一画にある我が家を、整え・磨いて・慈しみ、
美意識を持って生きる、愉しい人生。
それを、堂々と、自由に思い切り愉しんでいいのだ、と思わせてくれた断捨離。
自分なりに創り上げてきた「空間」が導いてくれた、
断捨離とのありがたいご縁だと思っています。
そして、何よりも、断捨離メソッドを産み出し、
世に広めてくださった、やましたひでこさんに、心より心より感謝申し上げます。
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